2010年11月アーカイブ

木組みと大工の腕

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夕方,上棟祭の打ち合わせのために,現場にてあっくん,ゆうじゅんさんと合流しました。既に4時半を過ぎていたので現場には足場灯が照らされていて,5日後に上棟祭を控えた現場では,夜遅くまで職人さん達が木組みの作業に追われています。

ご覧のように,東側の増築部分にまで木組みが進んでいます。写真は南西から撮ったものですが,古材と新材が交差して新園舎の骨格が現れて来ています。丁度人が立っている列が大黒柱の部分で,9軒の通し梁を受ける梁が組まれているところです(その奥の新柱が並んでいるところが玄関付近)。

1030-1.JPGこの雄大な柱と差し鴨居で囲まれた空間は,大空組と虹組の保育室にあたるところで,中央の新柱を中心に田の字づくりの四部屋になっています。2本の新柱の奥に見えるのが大黒柱です。それらより右側が吹き抜け空間で,左側が天井付きの畳の間になります。こんな空間で子どもらが遊んでいる状況を想像するだけで興奮してしまいます。

1030-2.JPGこのように複雑な木組みをどのように実現していくのか。棟梁が書かれた手板が下の写真です。行(東西)に数字,列(南北)に記号が振られています。列のなかで「いろは」が移築部分,英語が増築部分に当たります。手板とは昔の構造設計図です。これと共に高さの基準になる物差も作られます。これを元に部材の墨付け,刻みを行います。現代住宅はプレカットが多いので,最近ではあまり見られないものになっているそうです。

teita.JPG現場の木組みの様子を眺めているとき,ゆうじゅんさんから,「昔の大工の腕は木組みの時に現れる。曲がった梁でも何でも下で刻み,仮組みなんてなくて,いきなり本番。今みたいに重機や仮設現場などないから当たり前。でも,腕のいい大工なら木組みの最中にノミをもって調整することなどない。それで腕が評価されたんだ。」という話を聴きました。いかに昔の大工の技術が高かったかが窺われます。そんな話をしていると,ふと,じゃ現代建築って何が進歩したんだろうって思ってしまいました。

大黒柱

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ぽかぽかまつりの余韻に浸る間もなく,11月29日朝新園舎の大黒柱が建ち上がりました。いよいよ,あっくんといずみちゃんの夢の実現に向けて園舍が組み上がっていきます。そんな記念すべき日に,子ども達も全員集合しました。

daikoku1.jpg
ここで育ち行く子らの姿を見守る大黒柱。200年の時を経て新天地に雄大にそびえる迫力は圧巻ですが,でもどこか温かみを感じます。

あっくんと我が家の民家再生で出会って四年。こんな保育園を建てたいという話をさりげなく聴いた時からご縁が始まりました。でも,こんなに早く夢の実現が叶うとは考えていませんでした。強く念じて来られた理事長と園長の思いが,安全安心基金の創設,町長はじめ多くの方々のご支援に繋がったのだと思います。

そして,ここからは棟梁を先頭にした大工さんと施主とのいい緊張関係が必要です。どんなに技術が高度に進歩しても,最後は作り手と施主の家に対する情熱と尊敬が品質を決定します。いまの工業製品にはそれがない。だからこそ大切に使われないのです。壊れても修理されずに廃棄されるのだと考えています。大切に永く作ってもらえる条件は,結局のところ作り手の真心です。

記念撮影が終わった後,木組み作業が再開されました。写真は大黒柱に差し鴨居をほぞ組みしている様子です。直角を確認しながら玄翁で柱を叩いていきます。重機がなかった時代に,こんな大きな木組みを実現した先人達の凄さが伝わってきます。夕方にお邪魔したときに,照明を入れて作業が行われていました。工期に縛られているので仕方がありませんが,職人の皆様の安全を改めて祈願したいと思います。

kigumi1129.JPG下記の写真は今日の朝一の様子です。西側の一階部分の木組みがだいたい終わった模様です。どんどん園舍の形が出てきますので,できる限りブログにアップしたいと思います。

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保護者会主催になって3回目のぽかぽかまつりを迎えた。朝から穏やかな小春日和に恵まれ,心も身を温まる一日になりそうな予感を,7時半の集合のときに感じた。今年はギャラリーに専念させてもらい,外で力仕事や細やかな作業に身をさいてくださった皆さんには,本当心から感謝,感謝です。

gallary.JPG今年のテーマは「里」。私自身は数年前から里山文化の現代的再生を仕事としているので,正直嬉しかったです。この日の成功のために,春に実行委員長はじめコボちゃんと願寿亭で酒を酌み交わしたことを昨日のように思い出します。でも,里という御題をもらっていた私は,ぎりぎりまで何を書こうか決めかねていました。でも,今年は合鴨を通して大空2010の親のドラマに感動していたこと,そして生物多様性国際年であったこと,アジア文化の田んぼが生物多様性条約名古屋議定書に盛り込まれたこと・・・いろいろな思いが「多様性」という言葉に集約できるのではと思い筆を執りました。そして,今年もコボちゃんがギリギリの体調のもとで仕上げた力作が,子どもの成長を感じさせてくれたと思います。直前の彼の提案で竃と日干しレンガをディスプレイし,これまでの3回のギャラリーのなかでは最もコラボれたのかなと思っています。みなさんの感想を後日ゆっくり聴きながら酒を飲めればな〜と,フォーティオーバー二人の願いは叶うでしょうか?
ちょっとCMというには遅すぎるアップですが,2008年度より保護者会が主催するようになってから3度目のぽかぽかまつりが,昨年と同じく元気あっぷむらで9時半より開催されます。今年も大空組保護者による実行委員会が組織され,いろいろと壁にぶち当たりながら本番を迎えるられることでしょう。今年のテーマはです。英語では village, native placeなどが対訳として辞書的に出てきますが,日本的な意味合いとしてしっくりくるものはないでしょう。サブテーマ「里でつながり,里でなごみ,里にありがとう」に込められた意味を皆さんで楽しみたいと思います。今年のギャラリーは,陽だまり恒例のコボちゃんギャラリー,そしてSATOギャラリーが「里」をテーマにコラボっちゃいます。こちらにも足を運んでくださいね。今回から卒園児家族で結成された「ゆかりの会 縁会」もブースを担当します。ますますエンパワーメントが増大していく陽だまりに乞うご期待!

なんていいつつ,私はヘロヘロの状態で本番を迎えるようです。とにかく,子ども達の笑顔を見るために大人が楽しんじゃいます。天気予報はばっちり「晴れ」です。実行委員長ま〜くんは晴れ男なんでしょうか? エイサーシンカー琉和さんが今年もジョイントくださるので,絶対に雨は降りません。よかったですね。お天気の下でのぽかぽかまつり。私は初めてです。みなさん,はじけちゃいましょうね!

柱洗いWS

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昨日,子ども達と一緒に柱洗いを行いました。どんよりとした曇り空の下,寒いなか2時間ほど約20本の古材を心を込めて洗い磨きしました。現場に運ばれている古材は200本以上ですから,ほんの少しです(本当は全て磨けるといいのですが)。200年の歴史を経た柱を磨きながら,子ども達は何を感じてくれたんでしょうか。薄汚れた木肌を布が往復するたびに輝き出す。その色をじっくり眺めると,1本とて同じものはありません。それぞれが民家での役目を果たし,配置されていた状況の違いから生じる個性という「美」であると思います。

hwash.JPG教育において個性を尊重することの重要性は広く認識されています。しかし,そのような現代社会では個性が埋没することが多いように思います。教育がサービス化することと比例しているようです。結局のところ,ステークホルダーである親の満足度ばかりが過度に問われ,子どもの最善の利益の保障という観点と一致していなことが多いのではないでしょうか。

hmigaki.JPG写真ではなかなか伝えきれないのですが,200年間という生活の積み重ねによってのみ表出する美しは,どんな塗装技術をもってしても表現不可能です。そして,生活文化が反映されたこの木材は世界でたった一つの柱や梁です。現代的な価値では「新しい」ことが最も評価されますが,木の文化において果たしてそれが正しいのでしょうか?見かけは年老いた木ですが,芯の方はまだまだ若々しさが保たれています。

kizami.JPG現場では,このような刻み直しが急ピッチで進められています。写真の柱は,「を」列の「九」番目の柱という意味の番付けがされています。12月4日の上棟祭に向けて木組みがいよいよ始まります。連休明けには現在募金を呼びかけています9メートルの太鼓梁が搬入されます。27日頃から木組みが始まるとのことですので,出来る限り現場の様子をお届けしたいと考えています。年末に向けて忙しくなりますが,皆様の温かいご支援をどうぞ宜しくお願い致します。
昨夜は遅くまで議論いただき感謝申し上げます。上棟祭のおおよその段取りが決まり,それに向けて各自の課題をこなすということで宜しくお願いします。また,募金をいただいた皆様への記念品の案も決まり,委員長としては心強い限りです。本委員会には予算がございませんので,「手間」をかけることで気持ちを表そうという方向でご意見をいただいたこと,本当に嬉しかったです。

さて,そんな内容の濃い議論をいただいたところですが,上棟祭の最終打ち合わせということで下記の通り委員会を開催しますので,宜しくお願い致します。

日時:平成22年1130日(火) 19時〜
場所:陽だまり保育園太陽の部屋
議題:
(1) 上棟祭について
(2) その他
先日(15日),寒〜い中,合鴨米の脱穀と選別を行いました。今年は約3瀬分の脱穀ということで,やってもやっても終わらず・・・といった感じでした。でも,今回は母ちゃん達,そしてじいちゃん,ばあちゃんも参加くださり,まさしく「子どもを真ん中に」の理念を実践しているような風景がよかったです。

dakkoku.JPG脱穀機を踏み込む母ちゃん,孫達をフォローするベテランじいちゃん,収穫した籾米を手早く袋詰めしていくベテランばあちゃん。子ども以上に大人が伝統的な百姓仕事を通して楽しんでいるようでした。そんな笑顔が絶えない大人の姿を見て,今の自分のスケールを確認しながら子ども達が関わって行く。春の合鴨の飼育から田植え,稲刈りを通して,やっと収穫に至れる苦労を「一緒」に味わう。この一連のプロセスがあってこそ「いのち」の「つながり」を感じることができ,豊かな食農教育を保障できると考えています。

途中,ベテラン農家の加藤町議が様子を見に来てくださり,稲刈りのときと同様に「唐箕(とうみ)」の使い方をレクチャーくださいました。そして,その日は風が強かったので,それを利用して選別してから唐箕に通した方が効率的だとご指南くださいました。なるほどですよね。藍の種を選別するときには風を利用しているのに,その時は思いつかない。自然条件を読みながらの百姓仕事に改めて感動しました。

senbetsu.JPGこの一粒一粒が生態系の恵みを受けた「いのち」であり,労働(自然へのかかわり)によってのみ得られる「幸せ」です。今の消費社会はこのことが実感出来にくいところに欠陥があると思います。「いただきます」という日本の食習慣が先月の生物多様性が話し合われたCOP-MOP5のプロモーションビデオで紹介されました。日本人が食べものに感謝を表してきた言葉であり,その食べものは自然,いのち,労働,知恵による贈り物であり,最高の敬意を払わなくてはならないと・・・

ぽかぽかまつりまでカウントダウンが始まる時節になりました。去年の今頃が懐かしくもあります。
さて,移転の方も日々工事が進行しております。12月4日(土)に上棟祭を執り行うこととなりました。そこで急ではありますが,下記の通り準備委員会を行います。

日時:平成22年1122日(月) 19時から
場所:陽だまり保育園太陽の部屋
議題:
(1) 上棟祭の段取りについて
(2) 梁募金の今後の展開について
(3) ぽかぽかまつりでの移転準備委員会の関わりについて
(4) その他

立冬を過ぎましたが,今年は綿の木が未だ青々としています。陽だまりは「ぽかぽかまつり」に向けて,今年も年長組保護者が頑張られているようです。今年のテーマは「里」ということで,どんなドラマが生まれますことやら。私も依頼されている仕事に取りかからねば・・・

さて,ブログで紹介しました移築民家の解体も無事終わり,250年の履歴が刻まれた柱梁が現地に運ばれています。当初土日でのワークショップを考えていましたが,何かと週末行事が多いということで,平日の園児達との恊働作業に切り替えました。NPO法人 民家再生協会にも参加を募っております。是非皆様もお時間がとれましたら,子ども達と汗を流し,柱に刻まれた歴史を感じてみませんか?

日時:平成22年11月22日(月) 9時半〜12時(雨天中止)
場所:栃木県塩谷郡高根沢町宝積寺鷺の谷2062-1(情報の森交差点付近)
交通:JR宇都宮線宝積寺駅よりタクシー約10分
         ※自家用車の場合は,情報の森駐車より徒歩(約5分)でおいでください。

マカニーとエルド

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CBD/COP10が開催された名古屋には東山動物園があります。今年は国際生物多様性年ということで,東山動物園も協賛スポンサーになっていました。動物園や植物園は絶滅危惧種の保存・繁殖機能があり,生物多様性の維持管理に大きな役割を果たします。そして,いつの時代も子ども達に生き物の不思議を伝え,夢を与えてくれます。昨年,陽だまりコーラス隊と子ども達のコラボによって「ぞうれっしゃがやってきた」が合唱されました。平和の尊さをそれぞれの思いを込めて歌われました。

それ以来,どうしても東山動物園に行きたいと思っていました。今回COP10に参加する機会を得ることができ,最終日に動物園を訪問しました。下の写真が,辛い戦争を生き延びたマカニーとエルドです。インドゾウなので小柄で,なんとも愛らしいですね。事務所の方に詳細を聞いたのですが,どちらがマカニーかどうかも分からないということでした。歴史は風化するんだな〜と少し悲しかったです。

higasiyama-zoo.JPG「戦争」という人間の都合によって多くの動物が殺されたことが歌詞にも表現されています。その後,人類は平和の道を模索してきました。しかし,地球上から争いが絶えたことはありません。そして,環境破壊や地球温暖化といった新たな恐怖が地球上の動植物の生息地を奪っています。このような状況を全ての人たちに認識してもらおうと,今年を国際生物多様性年と定め,各国の取組みを促しています。まずは大人がしっかりと受け止め,その大切さを子どもらに丁寧に伝えていかなければなりません。今年もぞうれっしゃが上演されます。生物多様性という視点で平和に思いを馳せてみませんか?
11月に入り,間もなく立冬ですね。このところの冷え込みが物語っています。先月は第10回生物多様性締約国会議COP10(Tenth meeting of the Conference of the Parties to the Convention on Biological Diversity) が名古屋で行われました。現在,193の国及び地域が批准している生物多様性条約ですが,間もなく195カ国になる予定です。残すはアメリカ合衆国のみです。1992年に開催されたリオ地球環境サミットで温暖化と共にオープンにされ,93年に発効した条約です。しかしながら,2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるとした「2010年目標」は全く達成できず,これからの10年のアクションプランを策定するために重要な会議でした。ずばり,テーマは"Life in Harmony, into the future" 「共生」がキーワードになりました。環境省の調査で,国内の生物多様性という言葉の認知度が4割弱といわれていますが,そもそも"Biodiversity"という言葉が学術的に使われるようになったのが1980年代ですから仕方ありません。簡単にいえば「すべての命は繋がっている」ということです。日本人の自然観からすれば,ごくごく当たり前の感覚かもしれません。しかし,利益優先主義の社会の方向性を変えて行くために必要な概念として,共生の意味を一人でも多くの人に伝えていかなければなりません。愛知ターゲットとして掲げられた「生物多様性の損失を食い止めるための効果的な行動」を現実のものとするために。
cop10-logo.png
COP10のロゴマーク
(折り紙で表現された動植物の中央に大人と子どもが描かれている)

陽だまり保育園があらゆる場面で大切にする「つながり」は,これからの時代のオピニオンリーダーにならなければなりません。つながることの優しさや温かさは,ときには大きな試練を乗り越える必要があります。いま地球上に存在する命も,数億年かけて柔軟で強固な生態系を築いてきました。里山の風景とされる動植物も人と共に長い時間をかけて生きてきました。この歴史性を無視し,たった数十年で多様性を破壊してしまったのです。それを取り戻すために,自分が生かされている「つながり」を感じ,その恩恵を少しでも長く未来につなぐ必要があります。今年のぽかぽかまつりが月末に開催されますが,テーマが「里」となっています。里は人がつながって築かれる生活空間。そして,それを維持していく前提が里山の生物多様性であり,この関係性が日本の豊かな風景を築いてきました。この空間に潜む哲学を真剣に考えて欲しいと願っています。

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