2011年1月アーカイブ

荒壁づくりWS

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小雪散らつく30日。歌声コンサートの翌日にも関わらず,多くの皆さんに参加いただき,本当に寒かったですが,心温まる土間ホールの土壁が出来上がりました。左匠の白石さんも「竹小舞をかいて土壁をつくる保育園なんで,そうそうあるものじゃない」とおっしゃっていました。でも,陽だまりの皆さんはなし得たんですよ!手間をかけることの大切さを言葉で表現するのは容易いですが,それを実現してしまったんです。すごい!素晴らしい!!

まずは,寒さで氷点辺りの土に藁を足して素手でこねる作業です。連日の冷え込みからプールの土が凍っていたため,ジェットヒーターで解かしながらの作業となりました。手から体中に寒さが伝わってきます。冷たいというよりは痛いという方が正確かもしれません。用意しておいた湯浴で手を温めながらの厳しい作業でしたが,この作業が塗りやすさに関わってきます。ここの手間を省くと,結局塗るときに効率が悪くなり,仕上がりに影響を与えます。

kabe-1.JPGこの土を足場までリレーして,それを素手とコテで小舞に塗り付けて行きます。ワークショップの最初に白石さんからお手本を見せてもらったものの,実際にやってみると「?」。思った以上に土は重く,コテは走らない・・・いくらやっても平にならない・・・でも,自分が塗りきった壁に愛着を抱きませんでしたか?
この壁を1年間ほど楽しんだ後,中塗り,仕上げ塗りと成長していきます。陽だまりの園舍のコンセプトとして,子ども達と共に成長していく家が想定されているんです。完成時の見栄えではなく,これからも皆さんの手で輝かしていきたいものです。これこそが,民家再生保育園の醍醐味です。

kabe-2.JPG土間ホール東面の壁です。「ど素人」集団が思い思いに塗った壁を,一つ一つ修正しながら追ってくださる白井さん。「ワークショップをやる度に,もうやるまい」と思うそうです。それはどうですよね。修正するのだから,職人さんにとっては二度手間以上になってしまいますし,無駄な材料も増えてしまいますから。ワークショップを快く引き受けていただいた白石左匠の皆様に感謝です。

kabe-3.JPGワークショップは半日のみでしたから,半分くらいしか塗ることができませんでした。午後から,職人さん達が塗ってくださり,夕方行ってみると養生も剥がされておりました。写真は土間ホール入口の土壁です。この空間は照明によって様々な顔を演出できる素敵なものになるでしょう。もちろん,保育園舎という一面だけを見れば「暗い」という感覚は歪めないでしょう。下屋上の採光窓が設計より20cm小さくなってしまったこともありますが,照明の工夫によって空間演出して,さまざまな地域交流の用途に開放していくことで,その価値を高めていくことが可能になるでしょう。

kabe-4.JPG土を塗る度に,土間ホールの空気が変化していったことを感じていただけたでしょうか。もちろん,壁ができるわけですから空気の対流が変わります。それ以上に,空気のにおいや清浄度的な感覚が変わって行きます。そして,中塗りすれば音響効果が増しますし,身体で感じる空気がまた変わります。予算と工期の関係でボード仕上げになるところも,漆喰に琉球土とスサを混ぜた素敵な仕上げになります。これがペンキ仕上げとは全く異なることを,落成式の日に身体感覚で楽しんでいただきたいと思います。参加いただいたすべての皆様の思いがつまった壁が出来上がりました。本当にお疲れさまでした。

屋根

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しばらく現場日誌が更新できずにすみませんでした。正月明けに自分を最初に,家族が次々と具合を悪くしてしまい,なかなか取材に行けませんでした。雪が降ったりと,現場では足場が悪い中,寒さと時間の戦いであるようです。大工さんの殺気的な雰囲気が伝わってきます。

今日は3つの屋根を紹介したいと思います。屋根とひとことでいっても,その形状や素材は風土に根ざした多様性があります。日本建築では,茅葺・檜皮葺(ひわだぶき)・杮葺(こけらぶき)・瓦葺があります。陽だまりの移築民家の屋根は茅葺でしたが,その部分は垂木造りの屋根にリニューアルし,瓦型のガリバ(アルミニウム・亜鉛合金メッキ剛板)仕上げです。現在,南面と東面を貼る作業が進んでいます。

kigumi124-1.JPG屋根が45度と急勾配なのに対し,軒をつくるのが下屋です。ここは,移築前の再生ということで,本瓦葺で仕上げます。やはり,重厚感や素材感が違います。瓦といえば,石州瓦(鳥取)・三州瓦(愛知)・淡路瓦(兵庫)が国内の三大産地ですが,今回の瓦の素性は私は知りません。

kigumi124-2.JPGそして,玄関部分の屋根ですが,ここは古材を再利用して瓦葺に再生します。写真は野地板を貼る前の様子ですが,特徴的なのが円形の屋根であるところです。一見,唐破風門(からはふもん)のような形状をしていますが,まったく円形のつくりが,どこか洋風な感じを醸し出しています。

kigumi124-3.JPG屋根と同時に,急ピッチで内装工事が行われています。写真は,2-3歳児保育室側の縁側部分です。杉の丸太梁を2本繋いでの通し梁仕上げで,採光優先ということで,目一杯の高さまでサッシが入ります。廊下(床)は檜の無垢板仕上げになります。素足で生活するには本当に気持ちいいと思いますし,毎日拭き掃除をしていくなかで艶が出てきたときの風景が何ともいえなくなるでしょう。

kigumi124-5.JPG先日行われた竹小舞WSですが,下の写真が伝統的な方法です。柱と柱の間に水平の板(貫)を入れて,それに対して縦横に竹の格子を縄で成形していくものです。古民家は本来,この貫構造によって柔らかい構造体として免震機能を果たして来ました。古い寺社仏閣の構造は,この工法によって建造されています。NHK教育番組の「美の壷」でも紹介されていましたが,東大寺の門(仁王像が両脇にそびえています)は天井がなく,この貫構造を魅せるデザインになっています。

kigumi124-6.JPGこれに対して,筋交いが入っている部分は伝統的な小舞がかけません。ということで,今回は白石さんの方で,縦に並べた竹をホッチキスで筋交いに止めるという木刷り的な仕上げをされています。30日の荒壁塗りWSで分かると思いますが,同じ見えなくなる部分でも「手間」の違いが明らかになるでしょう。

kigumi124-7.JPG今日最後は,土間ホールから東側を見上げた写真をアップします。竹が見えている部分は筋交い構造のため,残念ながら伝統的な小舞ではありませんが,WSにて塗っていただきます。そこから上はボード漆喰仕上げとなる防火区画部分です。この構造体の元で暮らす子らの保育を考えるだけでニヤけてしまいますね。この空間を照らす照明はとても素敵なものになりそうです。それについては後日のお楽しみということで・・・

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高根沢では,雪で薄化粧された風景が美しい朝を迎えました。昨年の卒園証書から和紙を自分たちで育てた藁を使って漉くという,とても手間のかかることを行っています。今年もそんな時節を迎えることに,嬉しくもあり切ない,なんとも言えぬセンチメンタルに満たされます。一人ずつ押し切りで藁を刻んで行きます。最初は身体が恐怖でかじかんでしますが,回を重ねる度に動きがスムーズになっていきます。でも,その瞬間の集中力を要求しながら,危険と隣り合わせの保育を行っていきます。本来ならば,そんな体験を経た子ども達の育ちを保障する学童保育で,さらに高度な体験を重ねていくことが理想なのですが,今の社会ではなかなか難しい注文かもしれません。

wara11124-1.JPG切った藁は,灰汁の中でじっくりと煮ます。ここでも,直火の体験を生かして,1日かけて火を絶やさないように子ども達と一緒に手間をかけます。この手間こそが柔らかい品質のいい紙をつくる秘訣です。買っては捨てるというプロセス欠如型の生活において,このような目に見えない手間を直接体験することは,感性的な育ちにとても大切です。陽だまりの民家再生による園舎づくりの原点とも言えるのではないでしょうか。

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本当に今年は寒い!寒い!!寒〜い!!!
この叫びたくなるような感覚は,古民家生活を送っていると自ずと実感できます。来年の今頃はみんなで叫んでいるんだろうな・・・?

さて,そんな寒さにも負けず,陽だまりの子らは元気です。ここはハワイ?と錯覚してしまうような風景が冬の太陽の恵みの元で展開されています。先日は,大空さんと藍を土に還す作業を行いました。2月上旬には卒園用の藍建てを行います。今年もこんな季節になったんだなと実感しています。

そして,陽だまり保育の柱の一つともいえる「うたごえ」を保護者一体となって,今年も「平和」を願って(誓うために)「そうれっしゃ」を合唱します。名古屋の東山動物園で戦前戦後に繰り広げられた実話にもとづいて構成された合唱曲ですが,今年は全楽章を歌いあげます。忙しい中,子どもと一緒に「歌いたい,届けたい」という思いを込めて練習を重ねてきました。今日は,本番の会場でリハーサルが行われました。

utagoe1.JPG経費節約?のため,暖房無しの会場でしたが,子ども達の熱気に誘われて,大人も熱唱して楽しみました。主役の大空を前列に,かつての大空を乗り越えてきた先輩達が後ろから後押しをする。自分が歩んできた軌跡を確かめながら,そして仲間と肩を寄せ合って歌う姿を,後ろから見ながら大人が歌う。本当に心が和みます。一人でも多くの方に来場いただき,平和のメッセージをぴかりんの歌声と共に届けたいと思います。

utagoe2.JPG【プログラム】

日時: 平成23年1月29日(土) 9:30開演(9:00開場)
場所: 高根沢町民ホール(町民広場内)
金額: 500円
内容:
 第1部 合唱構成「ぞうれっしゃ」
 第2部 ぴかりんコンサート
主催:陽だまり保育園 Tel. 028-676-3737



竹小舞WS

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全国の高校生にとっては入試の第一関門となるセンター入試初日。私は朝から試験監督で出勤となりました。北陸側は雪に見舞われたようですが,高根沢は快晴に恵まれ,朝から竹小舞掻きを保護者会に呼びかけて行いました。20名程度の参加者があったようですが,親父は3名とのことでした。実際に参加していませんので,妻に撮ってもらった写真のみで想像しながらの記事となります。参加された皆さん,是非感想等をコメントしてくださいね。

伝統左官の素材のシンプルさ。私はこのスタイルというか思想がとても好きです。だからこそ,伝統的な土壁に囲まれた空間は何とも気持ちがいいものです。まずは,寒中に切り出された真竹を竹割り器を使って割って行きます。

komaiWS1.JPG次に,割った竹の節を取ります。おしゃべりしながら楽しくやるのが丁度かもしれません。

komaiWS2.JPG白石さんから小舞の組み方と結び方のレクチャーを受けます。あ〜私も教えてもらいたかった・・・しかし,妻から聞いたら各々のやり方の仕上げになったとか。ま,そこがワークショップのよさですので,技としての高さは求めないようにしましょう。

komaiWS3.JPG玄関部分の壁の作業風景ですが,こちらは母ちゃん達にまかされたんでしょうか。高所が苦手な方には厳しい作業だったと思います。

komaiWS4.JPG親父達は欅梁上の壁を仕上げて行きます。5メートル位の部分での作業風景です。

komaiWS5.JPG小舞が掻かれてくると家らしくなってきます。園長みずから小舞を作って行く園舎なんて,多くの保育園が建てられている今,おそらくそんなにないでしょう。小舞の小窓から漏れる光の藝術は本当に美しいと思いますが,その先に何を見つめているのでしょうか・・・

komaiWS6.jpg快晴に恵まれたとはいえ,やはり寒中での作業は厳しかったと思います。参加いただいた皆さん本当にお疲れさまでした。ここに土を塗るのを楽しみにしていてくださいね。願わくは,全ての壁をこの工法で作りたいものですが,経済的・時間的理由等々で,今回はシンボルとなる土間ホールを囲むメインの壁だけとなりました。でも,恊働して作った壁があるということが,伝統工法を見直す原点になります。「家は恊働で創るもの」という思想や価値を感じてくだされば幸いです。

筋交いと貫(ぬき)

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家を「買う」時代になった1970年代半ばから,いわゆるツーバイフォーと言われる住宅が多くなりました。これらは木造枠組工法といわれ,フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床で支える工法であり,これが日本の住生活から柱を消してしまいました。これに対し,木造軸組工法という日本の伝統工法を簡略化して発展させたものがあります(詳しくは,こちらを参考にしてください)。この工法を一般的に在来工法と呼びます。その構造は筋交いを多用するのに対し,伝統工法は柱を貫通させて水平材を通す「貫」が構造上の特徴です。現在の建築基準法からいえば,伝統工法はもちろん,在来工法でも適合住宅にならないことが多く,いわゆる日本家屋を自ら消滅しかねません。

kigumi114-6.JPG上の写真は土間ホールの西側の鴨居上の土壁予定のショットです。竹小舞を組んで伝統的な土壁仕上げをするはずの場所ですが,なぜか筋交いが入っています。竹小舞WSの前日に白石さんと打ち合わせのために現場へ行ってみると,このような状態になっていました。白石さんが事前打ち合わせで,「元のホゾに合わせて貫を入れてください」と依頼してくださったようだが,このようなことになってしまいました。設計施工側の言い分としては,先に述べた建築基準法上の耐力壁だからということになるでしょう。設計当初から土間ホールの壁を伝統工法でという打ち合わせはなんだったんでしょうね・・・・ということで,15日の竹小舞WSでは,玄関と欅梁の上の壁に絞って行うこととなりました。

さて,14日の昼休みの時点の現場報告です。まず,屋根は全て野地板が貼られ,一部を除いて防水シートも貼り終えていました。

kigumi114-1.JPG土間ホールの足場の組み直しでクリアな写真が撮れました。まずは,三和土土間の辺りから見上げた梁風景です。毎日この風景に迎えられるんですよ!

kigumi114-2.JPGこの風景に新たに加わるのが土間ホールの舞台部分です。ここは新規な空間で,梁募金をお願いしている欅梁の上でジョイントされ新たな空間に生まれ変わります。

kigumi114-3.JPG乳児棟とアリーナも順調に進んでいるようです。こちらは,やはり現在工法(?)ですので,管理棟の作業風景とは似て非なるもののように私には感じます。

kigumi114-4.JPGこれらに対し,作業場の端の方で,釜戸WSでこねた土を展開しはじめています。我が家の再生のときにも感じましたが,これぞ「伝統」ということを実感できる風景です。30日に変更になった荒壁塗りWS用の土となります。寒さで凍ってしまっているので大変です。WS当日は覚悟しておいでくださいね(笑)

kigumi114-5.JPG夕方お迎えに行くと,園ではどんど焼きが行われていました。小正月(女正月)の風物詩ですが,この時に繭玉を焼いて食べます。ミズやクワなどの枝の先に上新粉で作った繭状の団子を花に見立てて飾ります。繭玉は小正月の予祝行事で,養蚕の豊作を願うものだそうです。そういえば,春の桑で育てる繭は「春蚕」といって,もっとも上質な絹が採れる繭ですから,かつての祈りの行事として理解できます。

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寒中に入り,朝夕の冷え込みは半端ではありません。松の内までに新年最初の記事をアップしようと思っていたのですが,その後体調を崩してしまい失礼してしまいました。皆様はどんなお正月を過ごされたでしょうか。年末の風の便りにて,「リセット」の話題がありました。私もいずみちゃん世代なので,正月三ヶ日は時が止まっていたことを覚えています。そもそも,正月とは歳神様をお迎えして,その年の五穀豊穣と家族の無病息災を願う祭事だったわけで,日頃の労働を一時止めて家族揃って祝う必要があったのでしょう。門松や注連飾り,鏡餅などは歳神様を歓迎する舞台装置(神具)なわけですが,今では特別な場所でしか見られなくなりつつあります。文化を過去の産物として子どもに伝えるのは,やはり異常なことだと思いませんか?年を取ると正月から愚痴っぽくていけませんな。

さて,現場は6日から工事が再開されています。7日に取材した画像をアップしておきます。まずは,下屋の構造材となる丸太が玄関の両サイドに組み終えています。写真手前の古材が玄関の柱で,西側の下屋の丸太を見ているカットです。この丸太の下に6尺位のサッシが入るようです。

geya17.JPG屋根の方は野地板が貼られています。この上に耐火ボードを貼って,板金(ガルバ合金)仕上げという屋根になります。できれば本瓦であれば・・・と思いますが,予算の関係で仕方ありません。しかし,この部分が茅屋根だったわけですから,はやり壮大な景観だったことが屋根勾配と高さをから想像できます。

nojiita17.JPG本日早朝に取材に行って,最新の情報をアップする予定です。現場の進行具合の関係で,竹小舞&荒壁塗りWSは一週間延期致します。近々園から再度の参加募集のお便りが出ると思いますで,ご協力のほど宜しくお願い致します。

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