2011年2月アーカイブ

急に4月を思わせる温かい日が続いています。今日はいよいよ土間の三和土づくりです。「三和土」と書いて「たたき」と読みます。まずは,前日の土づくりの模様から。荒壁で塗っていただいた土と同じの益子桜土に,生石灰と水を混ぜて耕耘機でひたすら混ぜ合わせます。写真の煙は土煙ではなくて「湯気」です。これを熱化学方程式で書くと,CaO + H2O = Ca(OH)2 + 65.2kJ となり,炭の燃焼による熱量の約6分の1に相当します。これからも,かなりの高温になるとが分かると思います。同時に,土中に水酸化カルシウムいわゆる消石灰が生成され,アルカリ材として土に作用し,ゆっくりと時間をかけて硬化していきます(ポゾラン反応というらしい・・・)。消石灰は空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなるわけです。二酸化炭素を吸収する三和土の思想は環境配慮型ですよね。それなら,生石灰ではなくて最初から消石灰でいいじゃないという意見もあり,実際には消石灰でやる方が多いと白石さんがおっしゃっていました。でも,日本の粘土の多くは火山性で,水分がとても多いので石灰安定処理が有効という記事も数多くネットで見つかります。また,湿度が多い日本家屋ではカビ対策も重要です。消石灰の反応熱による殺菌効果も少しはあるのではと素人的に考えてします。いずれにしても,土+消石灰に凝固剤として「にがり」(塩化マグネシウムが主成分)を混ぜることから「三和」と書きます。

tataki-1.JPGワークショップ当日。朝から花粉が舞い散る春日となりました。現場につくと土づくりが既に終わろうとしていました。

tataki-2.JPGこの土をまずはバケツリレーで土間に運びます。今回は8人の親父が助っ人として参加くださいました。さすがに,あっという間に土運びは完了。ここからは,竹垣づくりと2班にわかれて作業をしました。まずは,外周から足で踏んで行きます。いきなり叩くのではなく「ゆっくり」とです。ふかふかした何とも言えない心地が足裏に伝わってきました。

tataki-3.JPG踏み固めた後は,しばらく素人は見学。外周のレベルをコテだけで職人さんが出していきます。いつも思うのですが,左匠の水平感覚はすごいです。べつに水平器をもって作業するわけではありませんが,なんとも心地よい水平が出来上がっていきます。でも,物理的に水平なのが水辺と感じるわけではないようです。とくに土壁は少し丸みをつけた方が平に見えるのだそうです。

tataki-4.JPG周囲のレベルがでたら全体をならして行きます。

tataki-5.JPGそして,いよいよ力仕事。これもいきなり強く叩かないで,地道にゆっくりと叩く方が全体がしまっていくようで,力任せに叩くと,ぶよぶよの土間になってしまうようです。「べたん,ぺたん」と何とも心地よい音が土間ホールに響いていました。

tataki-6.JPGtataki-ex.JPG竹垣づくりも午前中で水平側の竹括りが終了しました。午後は縦に竹を固定していきます。とりあえずは,春先に運び出しておいた竹を利用しての経費削減対策?です。でも,スチールの金網フェンスに比べると風情があっていいですね。

tataki-7.JPGご覧のように,素人が叩いた後に職人さんに修正いただき,本当に光沢のある三和土土間が素敵です。この日も解散後に,玄関の三和土を職人さんが手直しをして仕上げていらっしゃいました。ワークショップとはいつだって二度手間です。でも,このプロセスを支援してくださる方々に本当に感謝する次第です。白石左匠の皆様ありがとうございました。

tataki-8.JPG【おまけ】
三和土土間づくりの臨場感をお伝え出来ればということで,ムービーファイルをアップしておきます。下記の画像をクリックしてご覧下さい。携帯端末用に作成していますので低画質となっています。

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檜の床

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三和土土間WSの打ち合わせで現場に行きました。今日は管理棟から初めて渡り廊下,乳児等そしてアリーナへと移動してみました。今回の新園舎でこだわりの一つが床。地場の檜を使った無垢板仕上げです。泥汚れや傷などを気にしていたらとても無垢板なんて無茶な仕上げはしないでしょう。前ブログで蜜蝋ワックス塗りを紹介しましたが,テカテカの樹脂系塗料が一般的かもしれませんが,素足保育を基本とする陽だまりでは,毎日無垢板の感触と匂いを,そして時間と共に変化していく床を楽しんで欲しいと願っています。
まずは縁側から。黒い桁を挟んで空間が分けられるのですが,実際は今の住宅の流行かもしれませんが,まったくのバリアフリー設計です。本来の民家なら10から20cmくらい縁側が下がるのが美しいのですが・・・

kigumi225-1.JPG現代住宅では壁の中に柱が入ってしまう大壁が一般的ですが,民家再生の園舎は多くが真壁づくりです。そのため,床を貼るのも一苦労です。柱等の凸部を微調整しながらの作業となります。こんな手間を省いていしまうのが現代的価値かもしれません。

kigumi225-2.JPG次に乳児棟の床と紹介したいところですが,そこは合板床です。OMソーラの関係?予算の関係?よくわかりませんが・・・そして,アリーナに降りると全面檜の床が子ども達を迎え入れます。こんな空間があること自体,保育園としては贅沢なんでしょうね。これに加えて土間ホールがあるんですから。ソフトの充実が開園後の課題となります。

kigumi225-3.JPG最後に封除室の天井です。玄関の敷居をまたぐと小空間(風除室)があります。子ども達はここで靴を脱ぐわけですが,ここをくぐると正面に昇り壁が現れます。明日はここと土間ホールの三和土土間づくりです。

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木と金属

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2月も残すところ後わずか。週末のワークショップの打ち合わせに夕方現場に寄りました。現場では内装が大詰めに来ています。和灯屋の鎌田泰二氏との打ち合わせ中のあっくんから「とうとう付いてしまったよ・・・」と落胆の声。そうです。このブログでも何回も伝えていますが,構造計算上必要とする構造体が保育室の四隅につけられました。これも今の法律では仕方なのでしょうが,鴨居に穴を開けてボルトで固定というものです。250年間この民家を支えてきた大黒柱と差し鴨居の木がもつ履歴に,近代文明の象徴とも言える金属がなじむわけありません・・・どこにも怒りをぶつけるところがないのが現状ですので,何ともやりきれません。

kigumi223-1.JPG気を取り直してレポートを続けましょう。県産材檜の無垢板の床貼りが始まっています。無垢の檜の匂いが現場のぴりぴりした空気を和らげてくれているような気もします。現場監督が「品質が良すぎて,あまりにも節がなさすぎて単調な床になりそうだ」とおっしゃっていました。使い込んで木目が浮き出てきたら味が出てくると思います。明日から蜜蝋ワックス掛けを職員が始めます。みなさん時間があったら手伝いに来てください。手伝っていただける方は,前もって園に連絡いただけると助かります。

kigumi223-2.JPG調理室には現園舎から調理器具が搬入されています。土間ホールの昇り壁から調理室を眺められる小窓が,何となく料亭っぽい感じで出来上がってきています。食の生まれるプロセスを近くに感じるというのも食教育活動の一つです。芸術的な昇り壁越しに調理を眺められるというのも贅沢な空間です。コンサートなどのイベントで土間ホールを利用する際には,障子(?)で目隠しするようになります。

kigumi223-3.JPG今日最後は,帳場の上のゲストルームを紹介します。ここは梁構造の関係で,大人がまともに立てない部屋になりますが,何とも隠れ処的で素敵な空間になりそうです。小さなちゃぶ台を囲んで,あれこれ話をするにはもってこいです。ろうそくと酒があれば何もいらないという感じです・・・あ,ここは保育園でしたね。失礼しました。

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最後の藍染

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春の種蒔きから始まった四代目大空の藍。いよいよ卒園製作用の布を染める日がやってきました。大空Tシャツ,運動会フラッグ(地と枠),そして今日の座布団用の布を染めてきました。これだけのことを行うのに,約半年間毎日撹拌しながら藍瓶を維持し,休日は保護者の皆さんにご協力いただき,本当に感謝感謝です。
今までは素手で感触を確かめながらの染めでしたが,今回は伸子を使っての本格的な染めに挑戦です。写真のように伸子を張って,1回目は3分,2回目は5分と,水面を見つめながら集中。今年の大空にとっては,この「集中」(個)と「凝集」(集団)という課題を乗り越えることが大きな壁だったと感じています。大人でも素手で伸子を持って5分間というのは長く感じます。今日の大空はみんな格好良かったよ・・・でも,陽だまりでは最後の染めとなりました。

aizomelast.jpg後は,卒園証書の台紙となる和紙を染めるのですが,これは私とさわちゃんの思いを込めて染め上げたいと思っています。和紙を染める準備となる糊引きは大空にやってもらう予定です。和紙を染める日まで,大切な藍をぐっと身近に感じて撹拌してくれたらなと思っています。今日も染める前に藍の神様に「きれいに染まりますように」とお願いし,そして終わった後に「ありがとう」と気持ちを伝えました。発酵菌の力を借りて藍染を実現しているわけですが,今年の大空からは「あの子」と呼ばれています。目に見えない存在を神に称えて畏敬の念を表わすという自然観。そんなアニミズム的な感覚をこれからも大切にしたいと考えています。

新園舎の風景

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マラソン大会の後に現場に取材に行きました。すでに周囲の足場は解体されていますので,今日はいろいろな角度から園舍の風景を見ていきましょう。これまで何度か紹介していますが,まずは正面南側からの園舍です。円形の屋根の玄関が何とも優しい雰囲気を与えてくれます。後は,縁側の外に濡れ縁が設置され,開放感溢れる民家の特性を生かした園舍となります。

kigumi219-2.JPGそして北側。西日を背にした風景ですが,実はこの面で温かい食事が作られます。日本では衣食住といいますが,諸外国では食住衣とか食衣住とか順序が異なります。いずれにしても,食文化はその国の日常的な自然との関係性が最も顕著に現れるものです。だからこそ,食における保育保障はとても大きな役割を担うことになります。移転後,是非とも食育委員会なる組織が生まれることに期待しています。

kigumi219-3.JPG次は北西の風景です。以前紹介した風呂場の大窓が二本の桐の木の横に開口しています。

kigumi219-4.JPG南西の方向から見たアリーナと2階の乳児棟の風景です。東側からはこのアリーナは見えないところが,傾斜地(里山)に築かれた園舍の特徴だと思います。こちらは近代的な雰囲気を味わうことができます。ここで様々な活動が繰り広げられることでしょう。

kigumi219-5.JPG西側の風景で特徴的なのが,写真中央の片持ち梁構造の絵本室でしょう。なぜこのような構造なのか?それは設計者に聞いてください。民家再生園舍と乳児棟を結ぶ渡り廊下の真ん中に位置するのですが,鷺の谷を見下ろしながら,読み聴かせ活動が豊かに行えますし,学童のための図書も充実して,里山の自然と共に学ぶ空間として活用してもらいたいですね。

kigumi219-6.JPG最後に内部の風景を1枚。大黒柱を中心にした土間ホールのシーンですが,ご覧のように建具が入ってきました。ここは移築民家に使われていた建具です。建具については後日改めてアップしたいと思いますが,民家にとって本当に重要な要素の一つになります。据え付けのドアの思想とは全く異なります。こんなところにも,日本の自然観が現れているのだと思います。

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今年も陽だまり名物の一つ「マラソン大会」が行われました。昨年は雪降りしきる中で,走る者の行く手を寒風が襲いかかりましたが,今年は快晴で日光連山が美しかったです。とはいえ,走っている者にはそんな余裕があるはずはありません。子ども達もそうですが,必至になって自分との戦いに挑みます。この大空の藍T姿を見るのもあとわずかです。この子らの後ろ姿を担任のさわちゃんはどんな思いで見ていたのでしょう。終了後の表彰式での涙が語っていたように思います。もちろん,40代の代表として走った私は当然子ども達より遅く,日毎に筋肉痛が増しております・・・自分のため,そして子ども達のために走ってくださった保護者,そして保育士の皆さん!本当にお疲れ様でした。

IMG_6760.JPGマラソン大会終了後,裕重さんご指導のシモツカレをいただき,今年の無病息災を願いおいしくいただきました。そして,今年は保護者会主催の学習会として,足利短期大学の山崎久子先生を講師に,食育(私は個人的に食教育と呼びます)について考える会がもたれました。先生は,宇都宮大学大学院時代に口から入れるものではなく,身体から出すもの「う○ち」に着目して幼児期の食教育について研究された,大変ユニークな先生です。
子どもの食と大人の食の違いについて述べられたとき,大人が蓄えている「脂」をバターに例えられて,そういえば私なんか50本?と思わず苦笑してしましました・・・そりゃ,走れないよ〜。そして,幼児教育の中での食教育の役割を分かりやすく解説され,そして先生のお家芸ともいえる「こ」食について23パターンを紹介くださいました。「偏る」ということの弊害が現代社会の問題と共に理解できたかと思います。そして,最後に五原味からから味,風味,食味そして「おいしさ」を五感+環境で説明され,いかに食という文化が大切であるかを説かれました。陽だまりでは日頃から食に関しては色々と展開されていますが,今日のような論理的な説明を更に充実していき,いかに「家庭」と結ぶかが課題かと思いました。フランスの食に対するこだわりを最後に取りあげてもらいましたが,本来日本の伝統食文化も「晴れ(ハレ)」と「褻(ケ)」があり,食の意味性の奥深さはフランス以上かもしれません。しかし,人間関係の中での食の大切さが特に衰退していったということでしょうか。そうだとしたら,「一期一会」の精神性について再考が必要なんでしょう。衣や住と異なり,食はその瞬間に形を消失してしまいます。食べるものそのものが一期一会であり,まずもって食材に対する畏敬の念から全てが始まらないと,ちぐはぐな食教育になってしまうのではないでしょうか。

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For You

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平和コンサート以来はじめてコーラス隊が集まりました。そう,今年もいよいよ生活発表会&卒園式までカウントダウンに入ってきました。そこで,歌声と涙に溢れる卒園式のための合唱練習が始まったのです。なんとなんと,昨年の「YELL」に気をよくしたのか,EXIELの「道」を歌うことに・・・ま,おじさんには別世界で,そもそも原曲を聴いたことがないという有様で,楽譜をみて言いたいことは理解できても,まず歌詞がリズムに乗って行かないのです。そりゃそうです,こちとらアリス世代ですからね〜

IMG_6698.JPGそして,大空の部屋でも特別なものがようやく姿を現し始めてくれました。そう,今年も寒中の藍建を1月31日に行いました。今回は山崎和樹先生方式のスクモと木灰のみで発酵を待つことにしました。夏場だと遅くても1週間で建つなのですが,2週間以上かかって写真のような華が咲きました。いや〜いつ見ても愛おしいものです。卒園製作用の布と卒園証書の台紙となる烏山和紙を染めるための準備です。

IMG_6699.JPG歌声で旅立つ子らの背中を後押ししながら,藍の卒園証書を誇らしげに掲げる姿を見つめる。毎年繰り広げられる物語が背景にあるからこそ全ての仲間を感動させ,そして涙をそそる。悲しいわけでも嬉しいわけでもない。自然と溢れてくる涙は実に心を清めてくれる。そんな大切な日のために大人が集う。そう,あなた自身のために。そして大空のために・・・

陽(あか)い昇り壁

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日曜日に現場にお邪魔しました。ひっそりと完成を待っている園舍に出会いたかったのですが,外壁の吹き付け作業が黙々と行われていました。火曜日くらいには終わるかな〜と職人さんがおっしゃっていましたが,休日返上で本当にご苦労様です。

kigumi213-4.JPG白石さんから,足場の関係で土間ホール正面の「昇り壁」(私が勝手にネーミング)を11日(金)に塗りますと聞いていました。あいにく都合が悪くて作業風景を残すことはできませんでした。あっくんも「子ども達に是非見せたかった」と言っていましたが,休日で保育がないので実現できませんでした。とはいえ,その壁の仕上がりが気になっていました。玄関をくぐると正面に赤い,いやここでは「陽い」と表現していただきますが,ある意味太陽を感じさせてくれる壁が私を迎えてくれました。

kigumi213-2.JPG石膏系の下地をつくった上に塗ってあるとのことですが,それにしても斬新な空間です。この壁が十分乾燥してから,皆さんで両手に軍手を着けてひたすら「磨き」ます。ここにも成長する壁が用意されています。民家は生き続け,そして表情が出てきます。ここで生活する子ども達と共に・・・

kigumi213-3.jpg見る位置からも表情が変わります。均質なことを良しとする世の中ですが,職人仕事のよさは少し違う気がします。もちろん,平たく均一に塗るのも技術ですが,自然素材がゆえに含まれる不均一性が,人の感性の深いところで共鳴するからこそ,私は土壁に囲まれていると落ち着くのだと考えています。どんな感覚をみなさんに感じていただけるのか・・・春が待ち遠しいです。
乳児棟は玄関も入り,外装関係はほぼ完成に近づいていました。乳児棟の内壁も一部漆喰仕上げと聞いています。その様子は後日ご報告します。

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氷柱(つらら)

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雪景色に覆われた三連休でしたが,皆さんはいかがお過ごしでしたか?土曜日の朝,我が家の軒先に久しぶりに氷柱ができました。次女と氷柱で遊んでいる内に,あらためて氷柱の美しさに引き込まれてしまいました。とくに,現代住宅では軒の深さがなく,できたとしても窓からの風景にはならないことが多いのですが,手の届くところに存在すると,やはりこの歳になってもわくわくするものです。次女にとっては初体験だったのか,初めてみるかたち,そしてポタポタ落ちる水滴を触って不思議そうに顔をしかめていました。保育の過程ででは,このような体験が身近なところに沢山あるわけですが,その存在を子どもの感性だけに任せていると,子どもとの距離感が縮まらずに遠い,あるいは無関係な存在になり兼ねません。民家再生による園舍づくりの価値を高めるためにも,民家というハードがみせる美しさや厳しさ,そして外部環境との接点の現象,近隣里山で出会う不思議などなど・・・これらを大人が感じて楽しみ,そして子どもの気付きへと繋げて行く。そんな保育環境が充実していけばいいなと思います。

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鬼瓦

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長らく形状が決まらなかった鬼瓦がつけられました。鬼瓦は棟の末端の雨仕舞いの役割を兼ねた装飾瓦の総称です。もちろん鬼の面を刻んだものから,シンプルなものまで形状は様々です。機能性はもちろんですが,鬼門からの邪の侵入を防ぐための厄除の任を負っています。もちろん,今回の再生ではガルバですが,そういった拘りを見せていただいた職人さん達に感謝です。まずは,大棟の鬼瓦です。

kigumi29-4.JPGそして,隅棟の鬼瓦です。

kigumi29-5.JPG外壁ですが,もちろん理想は漆喰仕上げです。今回は予算の都合と設計士の拘り?から,ジョリパッド(柚子肌)というアクリル系の塗装剤仕上げで,内装の漆喰の色に合わせてもらって塗っています。写真のピンクっぽく見える部分ですが,乳児棟の外壁と色は違いますが,同じ仕上げです。

kigumi29-6.JPG中では,土間ホールの舞台側の根太引きが始まりました。グランドピアノを設置する部分ですので補強がなされています。玉石が見えているところが,26日に親父の会のボランティアで三和土土間を造るところです。照明が設置されていませんので,工事用のハロゲンランプで照明をしながらの作業ですが,逆にいえば,こんな感じの雰囲気を醸し出すことができ,実に芸術的な空間として多様な利用が可能となるでしょう。

kigumi29-1.JPG南面の縁側です。この長〜い廊下を元気よく雑巾掛けする姿を一日も早く見たいですね。檜の真っ白な無垢板仕上げですので,あっという間に遊びの勲章である泥汚れが最初は目立つでしょう。でも,だから一生懸命拭くのです。そして,年をとるにつれて本当の美しさが出てくるのです。最初の卒園生が成人する頃には,ずいぶんと艶がでてきているんでしょうね。

kigumi29-2.JPG今日最後は,保育室から土間ホールを眺めた風景です。これに建具が入ると落ち着いた温かい空間になるでしょう。そして,夏場などは大開講で広々とした空間もまた気持ちのよいものです。

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先週の月曜日に漉いた藁半紙を,毎日新聞紙を取り替えて丁寧に乾かしてくれました。今日は和紙を挟んでおいた布から,自分の力で剥がしていく作業を行いました。見本を示す時に,わざと破れやすいところで少し失敗して,でも何とか最後まで「集中」してやればできるよと演じて,さあいよいよ本番。普段使い慣れている紙と違って,端が波打っていて,どこから剥がせばいいやら・・・でも,今ある手の力と集中力で自分の卒園証書となる和紙を手に入れようと頑張っている気持ちが,本当に無言で作業している姿からひしひしと伝わってきました。

washi28-1.JPG出来上がりはご覧の通り。昨年のものより一層しなやかで,目の細かい和紙になりました。世界に一つしかない和紙に,一人一人への思いが書かれる日まで後2ヶ月。それぞれの思いがシンクロし合って,ここから子どもだけでなく,大人も大きく成長する時に突入です。精一杯の今の自分に向き合う大空のみんな。どんどん輝きが増していってくれることを願っています。

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今日の現場の朝は雪化粧でした・・・昨日取材に行くと既に足場が外されていっています。大工仕事に余裕をもって左官工事が進めばいいのですが,どうも左官にしわ寄せがいってしまうのは,理由はどうであれ,今も昔も変わりがないようです。先週は5名,今週は4名で壁の漆喰を塗られています。

kigumi28-1.JPG北側増築部分から,まずは調理場を紹介します。既にモルタルの流し込みも終わっています。ここから,陽だまりの新たな食活動が展開されていきます。写真左側に少しだけ小窓が写っていますが,土間ホール側から調理場の様子を覗くことができるように設計されています。これはあっくんの当初からの希望で,紆余曲折でとりあえずこのようなシンプルな窓に落ち着いたようです。

kigumi28-2.JPGそして,陽だまりっ子に欠かせないお風呂。ちょっと浴槽が狭いという印象ですが,北西の大窓から鷺の谷を見下ろせる絶好のロケーションです。今以上に泥んこ状態になって遊ぶこと間違いなしの園庭条件ですので,一般の保育園では考えられないほどの回転率になるでしょうね。

bath.JPGさて,土間ホールの足場が完全に取り外されました。まずは,欅梁の真下から南西方向に見た様子です。写真中央にそびえる漆黒の柱が移築民家の大黒柱です。濃い桜色の部分がワークショップで塗った土壁で,その上の部分が漆喰仕上げの部分です。土壁の部分はこれからも進化していきますが,土と漆喰のコントラストに古材の黒茶色が加わることで重厚な雰囲気を醸し出しています。ここに照明が入ると本当に美しいでしょうね。

kigumi28-3.JPGそして,北側の土間ホールステージ側からみたところです。新旧の交差部分の下がり壁を見上げたシーンですが,ここは正面からは見えないということで,ワークショップで塗ったままの雰囲気を残してくださっています。落成式の日にじっくり見比べてくださいね。土壁の色んな表情を楽しむことができます。

kigumi28-4.JPG最後に,大黒柱と壁をクローズアップしたシーンを楽しんでください。この柱は既に200年が経過しています。ここに住まう者達をこれからも力強く,そして優しく見守ってくれることと思います。そう考えるだけでも民家再生による園舎づくりの価値が彷彿としてきませんか?この価値を高めていくのが,そこに住まう者達です。家という機能を分断しない民家の思想を生かせる保育環境を皆さんで創って行きましょう。

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昨日親父の会のボランティアにて,現場から切り出された木材を薪にする作業を行いました。寒が緩んだ日曜日に恵まれたので,寒さによる辛さは少なかったです。「築山(つきやま)」の移動の関係で現場から木材の移動要請があり,どうせなら薪サイズにして移動させようと,移転準備委員会が親父の会に協力をお願いしました。9時から15時まで慣れないチェーンソー作業を交代で行い,足腰がガタガタになりながらも,皆さん本当によく働いてくださいました。そして,保育士の皆さんも応援に駆けつけてくださいました。おかげさまで,ご覧の通り無事作業を完成させました。本当にお疲れさまでした!

makidukuri.JPG【追伸】
コボちゃんから写真が届きました!いつも記録本当にありがとうございます。まずは,「見よ!このパワフルな保育士達」編です。作業の最後の方ですが,時間もリミットが近づき,また手持ちのチェーンソーで歯が立たない太くて,堅い薪は後日ということで移動のみ。ですが,これが何とも重い・・・それを女手だけでやってしまうのですから,これぞ陽だまり保育の原動力ですね。本当にお疲れさま!

makidukuri2.JPGそして,チェーンソー・シーンを1枚。作業姿勢も然ることながら,チェーンソーを押さえ込む力,そして伝わってくる振動で,全身がガクガクしてきます。午前中はまだ体力があるからいいものの,午後は疲れも出てくる上に,堅くて太いものしか残っていないので,チェーンソーが運動不足の親父達を容赦なく襲います。まずは,大きな怪我がなくて何よりです。コボちゃんから,後日チェーンソー講座を開こうと提案がありました。プロのCさん,経験の長いコボちゃんを中心に実現しようと思います。

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地鎮祭の風景

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現場は3月上旬の引き渡しに向けて,ギリギリの作業が続いています。昨日は親父の会と保育士で,現地に生えていた木(確認した樹種は椎・山桜・栗・樫・朴・桐)を薪にする作業を行いました(この様子は後ほどアップします)。そんなプロセスに関わっていて,改めて完成間近の風景を見ると,もう既に数か月前の記憶が薄れている自分に気付きます。親父の会の竹の切り出し,親の背中を見せる会での竹の移動作業などを経て,9月7日に地鎮祭を執り行ない,そして造成が始まりました。その時の写真を,土地の履歴を忘れないためにもアップしておきます。

jichinsai1097.JPGいま,地域再生や活性化といった議論が各地で盛んに行われています。そこで大切にしなければならないのが,集客力アップのための開発論議ではなく,その土地が歩んできた履歴の掘り下げと,これからの歩むべき道を市民自らが決定していくプロセスです。学術的には,地元学あるいは地域学などと呼ばれ,専門家の机上論のみに依存するのではなく,そこに住まう者が,そこに暮らしてきた軌跡を知ることから始めようというのです。陽だまり保育園が地域と共に歩みながら,新しい歴史をつくっていくためにも,この風景をいつまでも忘れることなく,次の100年のための風景をみんなで創っていきましょう。

土と漆喰

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立春を過ぎて,いきなりのポカポカ陽気に包まれている現場ですが,どんどん内装が出来上がってきています。午前中,我が家の薪づくりのためにチェーンソー仕事をしていて,午後は子どもと一緒にお昼寝。久しぶりのスローな時間を過ごしました。夕方,現場に行って取材をしながら,明日も薪づくりか〜と溜め息がついつい出てしまいました。親父の皆さん,どうかよろしくお願いします。到着して中に入ると,白石さんらは土間ホールの昇り壁の下地処理をされていました。来週いよいよ昇り壁の赤が姿を現します。

kabe1125-4.JPG防火区画の制限のため,壁量が非常に多く,土間ホールにかなりの圧迫感があります。三和土土間から昇り壁の奥行きがもう少しあればと白石さんとも話をしました。今更寸法的なことを言っても仕方ありませんが・・・さて,前回のブログで漆喰仕上げの写真をアップしましたが,今日は土壁と漆喰壁のコントラストをアップします。まずは土間ホールの壁から1枚。梁の下が荒壁の部分で,その上が漆喰仕上げです。写真では質感が伝わりにくいと思いますが,硬さ感や粒子感,そして流動性みたいな微妙な変化を,いつまで眺めていても飽きません・・・


kabe1125-2.jpg次に,保育室の吹き抜けの部分から1枚。色の違いは乾燥具合によるものです。塗ったばかりは赤みが強いのですが,乾いてくると左側のように薄いピンク系の色になってきます。ペンキと違って多少のムラが温か味を演出してくれます。

kabe1125-1.JPG最後に,夕日が土壁に落ちたところを撮りました。土間ホール西側の裏面の土壁ですが,皆さんが塗ってくださった上に,少し砂を入れた中塗り用に近い土で仕上げられています。そこに南面の高窓から西日が入っているところです。土壁のいいところは,偶然の自然現象によって多様な表情を見せてくれるところです。これからも色々な発見があるでしょう。子どもらと一緒に毎日が発見であるような園舎になるといいですね。

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壁から涙?

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荒壁塗りワークショップから3日。厳しい冷えから一時解放されて,身体の方はホッと一息という感じです。しかし,現場の壁は大変です。WSで塗った土が厳しい冷えから凍結し,それが正午過ぎになると融け出してきています。写真は土壁表面の状態ですが,氷の結晶が成長するときに(?)できた無数の線が見えます。いずみちゃんは,これが奇麗だと言っていましたが・・・

kabe1122-1.JPGそして,融け出した水滴が梁を濡らしているため,急遽拭きながら養生をしていただいております。本来なら,ゆっくりと時間をかけて蒸発しながら壁が乾いていくのですが,一番寒い時期に塗らざるを得ない工事に対して,壁が無言の抵抗をしているようでもあります。もっと適切な時期にゆっくり仕上げて欲しいという,自然の涙ではないでしょうか?

kabe1122-2.JPGそうは言っても,今の社会システムではどうしようもありません。そして,ようやく漆喰仕上げの壁が決まり,今日から塗り始まっています。漆喰に琉球土を1割と少量の細かい藁スサを混ぜたものです。塗ったばかりは赤みが強いのですが,乾くと子どものほっぺたが少し紅潮したようなピンクに仕上がります。

kabe1122-3.jpg今日の現場には50人の様々な職人が出入りしていたと現場監督から聞きました。あと工期は1ヶ月です。外装がほぼ終わりに近づき,足場も外されてきています。土間ホールの舞台の背面の昇り壁も姿を現してきました。ここは,赤い顔料を使った現代大津磨きの仕上げになる予定です。十分に乾燥した後,皆さんと一緒に磨きたいと考えている部分で,ここも成長していく壁になります。土の文化の奥深さを堪能して欲しいと考えています。白石左匠の職人さんには工期が押している中最もご苦労をかけますが,きっと素晴らしいものを残してくださるでしょう。

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1週間前に藁を刻んで灰汁で1日煮る作業を大空が力を合わせて行いました。いよいよ藁半紙(藁を材料にした和紙)を漉く時を迎えました。昨年から始めた合鴨米の取組み。春に田植えをして,1ヶ月間家族同様に合鴨の雛を育てる。放鳥での別れを思い思いに噛み締め秋の恵みを祈る。そして,稲刈り,脱穀と食べるための厳しさを体験してきました。このときの藁を使った卒園証書だからこそ意味のある取組みだと考えています。保育(学び)の連続性の保障という保育所保育指針,そして小学校以降の指導要領に明記されている重要な観点が反映されているからです。

今年は,藁を丁寧に煮たために繊維が柔らかくて,とても均一に漉くことができました。助っ人の親父がミキサーで藁を砕く作業をしている間,まずは水だけで漉き枠を動かす練習をして,いざ本番。何度も失敗することを想定しましたが,写真のように最初っから順調な仕上がりでした。でも,子ども達の目は真剣そのもの。ものづくりをしているときの子どものキラキラした目や表情を見る度に,面倒で手間がかかる取組みを続ける意義を感じます。

washi-1.JPGそして,枠から和紙を外す作業が一番緊張します。漉いた面を布に伏せて,裏側からタオルで水分を取ってから,ゆっくりと枠を外していきます。この瞬間,子どもの心配そうな視線を感じながら大人もドキドキしながら作業を行います。今回は助っ人として母ちゃん3人が参加くださり,この作業のバックアップを担当していただきました。

washi-2.JPG2年前に,研究室の学生の卒業研究で桑の樹皮を使った七夕祭の和紙を漉く保育実践が,こんな大きなイベントになるとは想像もしていませんでした。しかし,昨年とある論文で,日本の藁文化を取り入れた教育実践が報告されていて,合鴨米を通した食農教育と専門分野に属する和紙(不織布)文化をコラボさせることを考えました。まだまだ改良の余地はあると思いますが,その真ん中に保育の「連続性」の保障という課題を据えています。陽だまりでは一人一人丁寧に懇談会が行われます。そんな機会に,この連続性について感じてみてはどうでしょうか?

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